6P1(6AQ5相当)シングルステレオアンプAMP−4の製作
NPO法人ラジオ少年 原 恒 夫

1 はじめに
最近の学校の予算は、公立、私立に限らず大幅削減で、先生方は大変困っているようです。先生方も少しでも教材費を安くしようと努力されているようです。そんなわけで、本会頒布の教材の価格も可能なかぎり下げる努力をしているところです。
今回ご紹介するAMP−4は、低価格を実現するため100パーセントの中国部品の使用で実現しております。と言っても、折角学生さんに製作いただいた真空管アンプが、あまりにもひどい音質というのも困ります。「なるほど真空管アンプの音は良い音だ!」と感動を与えることが重要です。
ここでは、6AQ5とほぼ定格が似ている中国球6P1を使いました。6P1は、9ピンのため6AQ5と定格が似ていると言ってもそのまま差し替えることは出来ません。
ただ、6P1を眺めていると、ほぼ6BQ5と同じ外見で、たよりになるルックスです。
前段に使った6N2は、定格はほぼ12AX7と同じですがヒーターは、6.3Vですので、そのまま差し替えは出来ません。そして、9番ピンが双三極管の真ん中に入っているシールド端子になっていますので、1本の球で左右のチャンネルの増幅をする際は、セパレーションが良くなることが期待できます。
2 製 作
6P1を4極ビームのまま使ってみましたが、あまり好みの音質にならず、3極管結合にして使っています。3結の音はなかなかいい音で、音質、出力ともに6AQ5以上のように感じました。シャーシーは、横29cm奥行き17cmと大きく、ゆったりとトランスや真空管を配置しています。但し、シャーシーはステンレス製で、バリが出ていると怪我をすることがありますので、取り扱いに注意が必要です。もとのシャーシーには、ラグ板の穴があいておらず、ドリルであけました。ドリルの刃は、ステンレス用を使いましたが、なかなかあかず苦労していました。ところが、プロの方にステンレスの穴あけ加工のコツを伺ったところ、「簡単さ! 油を1滴たらすと良いよ。」とのこと。
早速自転車用のオイルを穴あけ加工時に1滴たらしドリルをあてると簡単にあくではありませんか。油によって刃先の摩擦熱が吸収されるようです。いままでの苦労が嘘のように簡単に穴があきました。油は、切削用のものでなくともミシンや自転車油、サラダオイルなどなんでも良いようです。
配線は、アース母線をしっかり張り巡らし、RCAピンのところでアースします。RCAピンにプラスチックのワッシャーのようなものが入っていますが、これを付けないでしっかりRCAピンがシャーシーにアースされるようにします。あるいは、近くのトランスの止めビスに卵ラグなどでアースを取るようにします。
大事なことを書き漏らしました。木製のサイドパネルは、部品を取り付ける前に最初につけておかないとドライバーが部品にぶつかり木ねじをしめられなくなります。
なにせシャーシーが大きいので、ゆったりと配線が出来ます。
平滑回路の電解コンデンサーは、400V 330μFと大型ですので、シャーシーにボンドなどで固定する必要がありそうです。長いラグ板を使っていますので、B+やアース端子は、2〜3端子をつないで贅沢に使っています。
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| 黒の線がアース母線で、張り回しておきます。 |
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| 真空管まわりです |
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| 電源まわりです |
6P1の電極は、プレートが1番ピンと6番ピン、スクーリングリッドが2番ピンと6番ピン、カソードが3番ピン、8番ピンと各2ピンに出ています。配線の時は、いずれかの配線しやすい位置の1ピンだけ使えば良いのです。他のピンは遊ばせておいて良いです。6BQ5と差し替えられるよう配線するとおもしろいかもしれません。ただし、6BQ5と差し替えすると電源トランスの容量が小さいので、長時間の動作は厳しいでしょう。
配線が終了しましたら高圧部のショートがないかテスターで確認し、真空管を差しテストをします。真空管の各電極に適正な電圧がかかっているかも調べておきます。
4 終わりに
パワーと音質は、ほぼAMP−1に匹敵すると思います。ここまで価格を下げることが出来たのは、100パーセント中国製を使ったおかげなのです。中国製品と言っても、もう安かろう悪かろうの時代は終わりつつあります。物づくりにおいて、日本がどんどん遅れ、東南アジアの国に追い越され始めたのは寂しいことです。日本の若い方々の活躍を願っております。