真空管ステレオアンプ(AMP−1)製作記
原 恒 夫

1 はじめに
真空管アンプには、独特の音色があり「元ラジオ少年」の皆様には、懐かしい思い出がよみがえってくることでしょう。青少年の皆様には、真空管アンプを是非経験してしていただきたく、シンプルですがCDデッキやMP3プレヤーなどにつないで十分楽しんでいただける、かつ教材として様々な実験も出来る真空管式ステレオアンプを製作していただきたいと思います。
2 使用パーツ
まず、電力増幅管として6V6のMT版として、往年のHiFiラジオ、ステレオセットなど家庭用に沢山使われた6AQ5を採用しました。この真空管は楽に3Wは出せます。ステレオにしますと3W+3Wで、計6Wも出ますから家庭用アンプとしては十分でしょう。
たぶん音源には出力の大きいCDデッキやMP3プレーヤーが使われると予想されますので、前段の低周波増幅管はそれほど増幅率の高い真空管をつかわなくとも良いでしょう。ここでは、ラジオなどに使い回しがきく6AV6を採用しました。
出力トランスは、OUT−2(5Wタイプ)を使います。また、電源トランスにはT−4H(250V 80mA)を使っています。チョークトランスの省略せず、CH−1(10H 100mA)を使っています。
3 回 路
まったくシンプルな標準回路です。負帰還もかけていませんが、実験として負帰還をかけてみるのもよいでしょう。
4 部品の取り付け
軽いパーツから取り付けましょう。真空管のソケットは、入力のグリッド端子、出力のプレート端子の向きに注意して取り付けます。
重い電源トランスは、最後に取り付けます。トランスには傷がつかないように完成までビニールなどをかけておきます。
トランスの取り付けですが、トランスのビスがシャーシーの穴に合わなくて入らない時は、トランスのビスをプラスドライバーで軽くゆるめておきます。そうすると、ビスの位置が動いてうまくシャーシーに取り付けられます。シャーシーの穴にトランスを入れたら、ゆるめたトランスのビスをプラスドライバーでしっかり締めなおしておきます。
5 配線
右チャンネル、左チャンネルが全く同じ回路ですから、まずどちらかのチャンネルを配線して、同じように反対チャンネルを配線します。
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| 左チャンネル付近 | 右チャンネル付近 |
アースは、1点アースを守ります。最後のシャーシーとのアースを何処にとるかということになりますが、原則は、入力ピン付近です。しかし、製作例では、平滑回路のラグ版の端子が足りなくなり、とりあえずここをシャーシーに接続しました。心配したハムも感じませんでしたので、そのままにしてあります。黒の線は、アース線ですが、全部シャーシーから浮かして引き回してあります。1カ所だけ(整流回路のラグ板のところ)でシャーシーにアースをしてあります。
ヒーター配線ですが、0Vをアース回線につけてはいますが、必ず2本の線をよって配線します。
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| シャーシー底面 | アースはラグ板の中央でシャーシーと接続 |
電源回路ですが、整流回路と平滑回路を左右に分けていますが、これは、どちらかにまとめても良いでしょう。
250Vをダイオードで整流し、コンデンサーインプットにすると約270V近くが出ますので、6AQ5にはやや高めです。そこでチョークインプットにしました。これで205V程度の直流電圧になります。片チャンネル3W程度は出せますので十分でしょう。
平滑コンデンサーですが、合計すると容量が大きいので、電源スイッチを切ってすぐ高圧回路に触ると、高圧電気が残っていて感電しますので注意が必要です。

6 おわりに
3W+3W で、合計6Wですが、家庭では十分な音量でしょう。どんなスピーカーを使うかによって、高域や低域の出方は大きく違ってきますが、素直で優しい真空管の音は、あなたの入門用オーデオアンプとして、十分な性能といえましょう。
さらにプリンアンプ、スピーカーシステムなどの製作を楽しまれて下さい。